思考のクセの対処法を知り、自分へのダメ出しをストップ!

Starting Pointでは、これまでに多くのクライアントとコーチングのセッションを行ってきました。起業や転職などのチャレンジだけでなく、経営者として組織を前進させたい、自分のことをよく理解したいなど、コーチングを受けられるきっかけは、本当に様々です。クライアントの皆さんに、「コーチングに関心を持った理由」や「コーチングを経て得られたこと」をインタビューしました。

クライアント プロフィール

STOKED COFFEE INDUSTRY株式会社 代表・桑原祥作さん

旅行や不動産の情報誌、不動産ポータルサイトなどの広告営業を経て、2021年4月に独立。コーヒートラック(キッチンカー)によるコーヒーの販売や、コーヒー豆のサブスクリプションなど、コーヒーにまつわる事業を手がけています。

公式Instagram:https://www.instagram.com/doubletall_stoked_coffee/

52歳。サラリーマンを卒業し、起業

敦子
今回は、コーヒーのビジネスを手がける桑原祥作さんにご登場いただきます。はじめに、自己紹介からお願いします。
桑原さん
よろしくお願いします。私は今年の3月に会社を退職し、52歳にしてストークコーヒーインダストリーという会社を仲間と立ち上げました。7月から虎ノ門エリアを中心に、コーヒートラックで淹れたてのコーヒーを販売しています。
オリジナルのコーヒートラック。営業エリアも拡大予定です。
敦子
実は桑原さん、飲食関連のお仕事は初めてなんですよね。
桑原さん
そうなんですよ。これまでは、旅行や不動産の情報誌、不動産ポータルサイトなどの広告営業をしていました。
敦子
では、コーチングを受けられたきっかけを教えてください。
桑原さん
前職まではマネージャーでしたが、ふとした頃から仕事そのものや部下との関係などが、なぜかうまくいかないことが続いたんです。しだいに、これまでの自分の人生すらも全否定されているような気持ちになり、落ち込んでいました。

それでも「前に進みたい」ともがいていたところ、友人からビジネスコーチとして敦子さんを紹介されたんです。
敦子
コーチやコーチングはご存じだったのですか?
桑原さん
はい。以前、管理職を対象としたコーチングの研修を受けたことがあり、どういうものかは知っていました。いろいろなコーチがいますが、僕の希望はロジカルに話を進めてくれるコーチ。敦子さんは、期待通りでした。

コーチングで、自分の思考のクセに気づく

敦子
では、これまでのセッションを振り返っていきましょう。初めてのセッションは、2年くらい前のことでしたね。
桑原さん
そのとき何を話したか、ほとんど覚えていないのですが…、イライラしていたなぁと。敦子さんからの質問に正しく答えなきゃいけないと強く思う反面、ちゃんと答えられない自分がイヤで、ちょっとふてくされたような態度をとっていた気がします。
敦子
初回のセッションでは、「今の状況」と「これからどうなっていきたいのか」を聞いています。でも桑原さんの場合は、今のことに意識が向きすぎている状態でした。そこで、まずはこれまでに楽しさや達成感を感じたときのことを聞いていきました。
桑原さん
そうでした、そうでした。でも、なぜですか?
敦子
当時の桑原さんは、エフィカシーが低く、未来のことが考えられない状態だったんですね。エフィカシーとは、自己効力感と呼ばれるもの。自分の能力を適切に把握する力です。ですから、「自分にはこういったことをやれる力があるんだ」と思い出してもらうために、過去にできていたことや嬉しかったことを聞いていました。

今振り返ってみて、あの頃はなぜ苦しかったのだと思いますか。
桑原さん
「マネージャーとはこうあらねばならない」の思い込みや、まわりの期待に応えようとして、自分でもどうしていいかわからなくなっていたなと。

仕事に対する姿勢も含めて、人からどう見られるか、どう評価されるかばかりを気にして、そこに価値を置いていたんですね。だから、まわりからの評価が低いと、自分でも自分を責めていました。
敦子
お会いした頃の桑原さんは、良きマネージャー、良きリーダー、良きお父さん…と、世間や相手がイメージする「良いもの」になろうと一生懸命だった印象があります。
「悩みがち」「ダメ出ししがち」は思考のクセかも。客観的な視点で見つめてみましょう。
桑原さん
はい。でも、セッションを繰り返すことで、良いにつけ悪いにつけ、自分の存在価値の判断基準を、すべて外部に置いていることに気づきました。

コーチングを受けて一番良かったことは、そんな自分の思考のクセを自覚できるようになったこと。どうしても正解を出さなければいけないと思い込みが強かったり、自分へのダメ出しをして自分を否定するポイントを探そうとする悪いクセに気づけました。
敦子
思考のクセを、自覚できるようになった。
桑原さん
今は、「また悪いクセが出てるな」と立ち止まれるようになっています。否定しないで、事実として受け止めて、考えようとしています。セッションを始めた頃と比べたら、むだに自分を責めたり、同じところでぐるぐる考えることは減ってきていますね。

一歩ずつの行動が、未来のなりたい自分を作る

敦子
起業を決めるまでにも、いろんな気づきがありましたよね。ご自身を理解していく過程の中で、コーヒーの話題が増えていって。
桑原さん
はい。もともと私は、コーヒーを淹れることが趣味だったんです。

「これからどうしていきたいのか?」と未来へ目線を向けた話をする中で、淹れたコーヒーをおいしいと言われたり、焙煎した豆をプレゼントしたら喜んでもらえたことを思い出しました。自分にとってのコーヒーは、こんなに存在感のあるものなのかと気づきました。
敦子
エフィカシーが高まると、未来のビジョンを描けるようになります。そして、もっとコーヒーとの関わりを深めていこうと、行動をスタートされました。
桑原さん
はい。具体的にコーヒーの仕事をする自分の姿が描けていたわけではなかったのですが、ご縁があって、原宿で25年間エスプレッソのカフェを営んでいる方に会いに行きました。

カフェの仕事をもっと知りたいのと、コーヒー豆の焙煎にとても関心があったので話をうかがったんです。週末に3ヶ月ほどアルバイトもさせていただいたんですが、コーヒーの焙煎は職人技なんだなと実感しましたね。
敦子
カフェの仕事と並行して、セッションでは、より具体的なイメージを描くお話をしていきましたね。たとえば、「ご自身のお店のイメージ図を描いてください」とか、「リサーチして気になるコーヒーのお店をピックアップしてください」などの宿題を、桑原さんはひとつずつきちんと取り組まれました。
桑原さん
次までに宿題をやっていかないと、敦子さんに怒られるかな、なんて(笑)。カフェのオーナーに会うのも、敦子さんから「次のセッションまでに会いに行きましょう」と背中をぐいぐいね(笑)
敦子
行動すると臨場感が伴い、将来のビジョンがよりハッキリと見えてくるんです。でも、逃げる人はそこで逃げるんですよ。「やっぱりこれは私のやりたいことじゃなかったかもしれない」と、やりたいことを探るスタート地点まで戻ってしまう。あるいは、セッションそのものをやめてしまうこともあります。
桑原さん
なるほど。宿題は大変でしたけれど、一つひとつが自分のやりたいことやなりたいことにつながる宿題でしたから。

敦子さんから「次はこれをやってみましょう」と言われると、このドアを開けたら何かが見えるんじゃないかの期待がうっすらありました。なので、少しずつでも行動できたと思います。

父でもない夫でもない「私」の決断が、家族も動かす

敦子
こうして、コーヒーにまつわるいろいろなことを行動する中で、一緒に起業した方との出会いもありましたね。
桑原さん
はい。仲間との出会いで、より具体的に将来を考えられるようになりました。

そして起業を決め、着々とその準備を進めていたんですが…、家族には退職する話をなかなか切り出せませんでした。とくに、妻に話すのが、一番ハードルが高かった。
敦子
近くにいる方にほど、伝えにくいですよね。
桑原さん
伝えにくかったです。話すきっかけは偶然訪れたんですが、かっこつけてしまうというか、ダメな自分や弱いところを見せたくないんですよね。

でも会社のこと、コーヒーが好きなこと、コーヒーの仕事で起業したい話を伝え、なんとか理解はしてもらえました。
敦子
桑原さんは大黒柱ですから、ご家族の心配はあると思うんです。ただ、桑原さんが仕事を辞める決意をし、起業のために動かれ、事業をスタートした行動の積み重ねは、ご自身にとっても家族にとっても、支えになるのではないかなと考えています。
桑原さん
そうですね。たぶん、経済的な心配などもあると思いますが、応援してくれるのでありがたいです。それに、思ってもいなかった娘とのコミュニケーションが生まれたんですよ。彼女、カフェめぐりがとても好きで、大学生という年頃だけにInstagramにも詳しくて。
敦子
うん、うん。
桑原さん
今では、娘がコーヒートラックのInstagram投稿を手伝ってくれてます。バイト代は、僕のおこづかいから(笑)
敦子
お父さんのお仕事に興味を持ってくれているんですね! 桑原さんの変化が、ご家族にも伝わっていると感じます。

おいしいコーヒーで、みんながハッピーに

敦子
終わりに、これからのビジョンを聞かせてください。
桑原さん
コーヒートラックをフランチャイズ化して、一緒にコーヒー事業を展開する仲間を増やしたいです。コーヒートラックを1台買ってオーナーになるとか、週2回くらい営業したいとか、いろんなやり方でコーヒートラックに関わっていただける仕組みも考えています。
敦子
事業を大きくするだけではなくて、コーヒー好きの仲間を増やしたいんですね。
桑原さん
はい。会社のビジョンは、コーヒーを通して人を喜ばせる「コーヒーハッピー」なんです。たとえば、定年退職したらカフェをやりたい…じゃなくて、「コーヒートラックで週末オーナーからでも始めませんか?」とお誘いできたらいいですね。そんなふうに、コーヒーでハッピーを作っていきたい人を巻き込んでいきたいな。
敦子
人生100年時代と言われます。これから、第2の職業にチャレンジしたいという方も増えてくると思うんです。もし、同世代の方にアドバイスするとしたら、どんなことを伝えたいですか。
桑原さん
自分はもう52歳で、あと少ししたら自分がやりたいことに気力や体力がついていかなくなってしまうだろうと恐れていて。まだ身体的にも思考的にも動けるうちに動くしかない、今を逃して、後悔はしたくないと思ったんです。だから、思い立ったら動くことは大事だというところでしょうか。
敦子
今、団塊世代の方が次々と退職されていく中で、50代・60代のひきこもりが社会問題になっています。会社を辞めたあとの自分の居場所を見つけ、自分の存在価値を高めていける生き方は必要です。

ぜひ、桑原さんには同世代のこれからの人生の1つのロールモデルになっていただけたらなと思います。

インタビューを終えて

悩みに悩んだ中で、自分のやりたいことを見つけ、全力を注ぐ桑原さんの姿に、勇気づけられる方も多いのではないでしょうか。過去の桑原さんの歩みを止めていたのは、自分の悪いところを探してしまう思考のクセでした。このクセに気づき、対処法を知ることで、本来の力を発揮できるようになったのです。このようにコーチングでは、モヤモヤや焦りを引き起こす原因を探り、対処法を考え、自分の能力を最大限に生かすトレーニングをしていきます。

インタビューにもありましたが、定年退職を迎えた方や子育てを終えた女性など、ご自身の役割をまっとうしたあと、ふと無力感に襲われる方は少なくありません。ぜひパーソナルコーチングで、「私がやりたいこと」に向き合ってみませんか。

執筆:わたなべひろみ / イラスト:竹内巧 / インタビュー・編集:マチコマキ

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