コーチングで自分の課題に気づき、苦しさや怒りを手放せた

クライアント プロフィール

会社員・大島三和さん

勤務先の人事プログラムをきっかけに、Starting Pointのコーチングを受ける。現在は、個人クライアントに切り替え、コーチングを継続中。猫とラーメンが大好き。

人事から「コーチングを受けませんか?」と言われて

敦子
今回のクライアントインタビューは、会社員の大島三和さんにご登場いただきました。

Starting Pointでは、企業の人材育成の支援として、コーチングを行っています。三和さんは、お勤め先の人事プログラムの一環で、コーチングを受けられました。その後、個人契約に切り替え、コーチングを続けています。
三和さん
よろしくお願いします。私は、フォワーダー(国際輸送)の企業で営業をしています。敦子さんのコーチングを受けるようになって、もう3年くらい経ちますね。
敦子
だいぶ、長いお付き合いになりましたね。さて三和さんは、会社から初めてコーチングの話を聞いたときのことを覚えていますか。
三和さん
鮮明に覚えています。人事と上司から「最近、お仕事はどうですか?」と聞かれたんですよね。同僚とうまくいかないことが気がかりだったので、「改善したい」と答えたんです。

すると、「じゃあ、自分を発展させていくために、コーチングを受けてみませんか?」と言われて。
敦子
三和さんについては、人事の方から「ハイパフォーマーですが、周囲とのコンフリクト(対立)にご自身も悩んでいるようです。より成長いただくためにも、サポートしたい」と聞いていました。

企業からコーチング依頼を受けるときは、まずクライアント本人に前へ進みたい気持ちがあるか?の確認をお願いしています。
「1人ひとりのベストなパフォーマンスを引き出すには
どうしたらいいのだろう?」
人事の役割が広がっています。
三和さん
その上で、敦子さんには申し訳ないのですが・・・、はじめは「コーチング?何それ?」と思いました。コーチングとコーチの存在を知らなかったので、何をするのか想像つかなかったんです。
敦子
そうおっしゃる方は、多いですよ(笑)
三和さん
自分なりにコーチングを調べてみても、「元気ハツラツ!」のような、テンションの高い動画ばかりが目について…(笑)。でも、成長の機会だし、ムダにはしたくないと考えて、コーチングを受けることにしました。
敦子
三和さんの第一印象、とても慎重な方だなと思いました。
三和さん
そうなんですよ。でも敦子さんは、私がリラックスできるように接してくださいましたよね。なので、初めてのセッションでも入りやすかったです。

苦しかった同僚との対立。「聞くこと」で怒りが落ち着く

敦子
では、セッションで印象に残っていることを教えてください。
三和さん
初めの頃は、敦子さんにひたすらお話を聞いてもらいました。かなり鬱憤がたまっていたんでしょうね。だからといって、敦子さんは何かの課題を与えるわけじゃないんです。
敦子
そうですね。コンフリクトには、対立相手となる他者がいるものです。でも、「相手にこうしてほしい」ではなく、「自分はどうしたいの?」を問いかけました。
三和さん
その問いに答えていくうちに、ハッと気づくんですよ。「相手じゃなくて、自分はどうしたいのか。自分の課題なんだ」って。

でも、はじめは抵抗がありました。
敦子
どんな抵抗ですか?
三和さん
敦子さんは、「そのとき何を感じたの?」「何にイライラしたの?」と、コンフリクトが起きたときの、私自身の感情を聞くんです。でも、「なんだっけ?」とすぐに出てこなくて。この感情を思い出していくことに、抵抗がありました。
敦子
無意識の行動をしてるんですよね。刺激に対して、ぱっと体が反応しちゃう。今振り返ると、三和さんはどんなことに怒っていたんでしょう。
三和さん
同僚や他のチームのメンバーが、私と同じ熱意で仕事をしてくれないことに、イライラしてましたね。仕事の進め方などを話し合っても、相手がその通りに対応してくれなかったんです。
敦子
そのとき、三和さんの気持ちは?
三和さん
「あんなに時間をかけて教えたのに!」「お客さまに申し訳ない」みたいに、カッとなっていました。お客さまからクレームが来て、「どういうことですか!」と、相手に怒るみたいな。苦しかったですね。
敦子
苦しかった。うん、うん。
三和さん
そんなふうに、感情の振り幅がかなり大きかったのですが、敦子さんとセッションを重ねていくうちに、人との話し方や気持ちの伝え方を勉強しました。

敦子さんが、「明日、これを練習してみよう」と宿題を出してくれるんです。まずは、相手の話を聞くことに集中してみました。
敦子
どんなふうに、聞いたんでしょう。
三和さん
それまでって、「私はこうしてほしいのに、どうして?」と相手を責めていたんです。

そうではなくて、「どんな気持ちで対応したんですか?」と聞くようにしてみました。すると、いつの間にか冷静に話をしている自分がいたんです。
すぐに「カッとなっていた」という三和さん。
コーチング時の言葉を思い出し、実行します。
敦子
相手は、三和さんの聞く姿勢に答えてくれましたか?
三和さん
やっぱり最初は、相手も頑なです。でも、ゆっくりと心を開いて、本当の気持ちを話してくれるようになりました。

部署が違えばゴールも異なるし、育ってきた環境も違うのだから、お互いの価値観が同じなわけがありません。そう考えながら話を聞いていると、相手も私の意見に耳を傾けてくれるんです。聞くことを大切にしているうちに、対立も起きなくなって、仕事もうまく進んでいます。

「こうすべき」バイアスが強いと、自分にも他者にも厳しくなる

敦子
コーチングを経ての変化は人それぞれですが、三和さんは、少しずつ変わっていきましたね。
三和さん
何かあるとイライラしてましたが、穏やかに相手と話せるようになっています。もちろん、すべての人とスムーズにコミュニケーションができているとは言いがたいですし、意識しないと昔のように怒りの感情が出てきます。難しいですね。

でも、相手の言い分を聞いていると、自分もそうだなって共感がある。すると、会話がスムーズだし、イライラのエネルギーを手放せるし、自分自身が楽になりました。
敦子
ハイパフォーマーなのに、まわりの人たちとコンフリクトを起こしてしまう方はよくいます。「普通だったら、こうするべきでしょ」のように、思い込みのバイアスが強い傾向がありますね。
三和さん
確かに、私は自分自身に対して「こうあるべき」と厳しいタイプでした。敦子さんとのセッションで気づいたことです。
敦子
自分に厳しい方は、他者にも同じ厳しさを求めがちなところがあるんです。三和さんは、なぜご自身に厳しかったのだと思いますか。
三和さん
大学のインターンや新入社員時代に、よく怒られていたからだと思います。失敗を繰り返さないために、「自分がしっかりしなくては!」と考えていました。
敦子
「過去こうだったから、未来もそうなる」に、関係性はありません。これも、バイアスですね。
三和さん
それに、親が昔気質で「子どもはこうしなさい」と厳しい人でもありました。
敦子
親の価値観とルールって、子ども時代にすり込まれているから、気づかないんです。だから大人になっても、その価値観で日常をジャッジしてしまう。すると「私ががんばってるのに、どうして周りもがんばらないの?」と厳しくなってしまう傾向はあります。

コーチングでは、未来のお話をしますが、必要があれば、ご自身を知るためにこれまでを振り返ることも行います。
三和さん
コーチって、人生の師匠ですね。自分をパワーアップしたいと学ぶには、先生が必要。敦子さんは、キビキビとした教師ではなく、淡々と冷静に話を聞いてくれます。

私が怒りに任せてしゃべっていても、敦子さんは揺らがないから、心の内側を明かせるんです。親しい友だちに言われるとカチンとくることも、コーチの立ち位置からなら素直に聞けると思います。
海外出張も多い、三和さんのお仕事。
以前イタリアへ出張したときの写真です。

コーチングを受けながら、コーチングスキルを身につける

敦子
人事部からのご依頼のプログラムが3ヶ月で完了しまして、それからも三和さんには継続してコーチングを行っています。継続された理由を、教えてください。
三和さん
コーチングに出会って、自分のことを考える大切さを実感しました。もっと自分をパワーアップさせたい、がんばりたいから、考え続けたいなと思ったんです。

でも、1人で自分の内面を知る・見ることって難しいし、友だちと話すと愚痴で終わりがち。だから、引き続きコーチングをお願いしました。学びでもあり、お金には変えられない時間です。

それに、コーチングにも興味があったんです。はじめは「コーチングって怪しくない?大丈夫?」だったのに(笑)
敦子
コーチングのどんなところに、興味を持たれたんですか。
三和さん
営業の仕事は、お客様の課題を解決することです。その上で、お客様の話を聞くスキルは重要な要素。このスキルを、コーチングを通して伸ばし、仕事に役立てたいと思いました。
敦子
コーチングを受けた方が変化を体験して、他の方ともそんなコミュニケーションを取りたいと思うのは、自然なことなんですよ。
三和さん
そうなんですね。今、敦子さんにはコーチとして関わっていただきながら、私のクライアントや同僚とのコミュニケーションを例に、相手の質問の意図やケーススタディを一緒に考えています。
敦子
ビジネスには、関わる人たちそれぞれのゴールがあります。このゴールの抽象度が低いと、対立が起きやすいんです。なので、お互いのゴールの確認や、どんな未来を作りたいか?と抽象度を高めていくと、対立が突破できます。

それらのプロセスも、三和さん自身が体験されながら、コーチングを身につけていただきたいと思います。

今は転換期。これまでのキャリアをベースに「何ができる?」と思考中

三和さん
ちょっと質問なのですが、法人向けのコーチングは、どんなポジションのクライアントが対象ですか。
敦子
三和さんのような現場の方はもちろんですし、マネージャーや役員などのエグゼクティブを対象としたコーチングも行います。ポジションや課題によって、アプローチや求める変化のスピードも変えています。
三和さん
なるほど。ぜひ企業のキーパーソンの方には、コーチングを受けてほしいですね。中心に立つからこそ、悩みや迷いも多いだろうし、いろんな価値観を持つ人と関わる立場でしょうし。

それに、他者への影響度が高い人たちだから、その人がパワーアップしたときの波及効果が大きいんじゃないかと。
敦子
悩んだり迷ったりしていると、本当の力が発揮できません。もったいないですね。
三和さん
そうです。悩んでいる人は、相手のことを考えている時間多くなりがち。そうではなくて、自分の内側、自分がパワーアップすることに目を向けてほしいです。とくに女性には、「コーチングでレベルアップできるよ」と伝えたいですね。
敦子
では終わりに、三和さんのこれからについて教えてください。
三和さん
私は、大学のインターンの頃からずっと、国際輸送に関わる仕事をしてきました。小さい頃から、海外や外の世界を知ることが好きだったんですね。大学では、法学部で国際政治を専攻して、法律、そして国際商業へと関心が広がっていきました。

商業と世界情勢は、密接に関わっています。仕事をしながら、自然と海外への興味や関心が沸き起こり、勉強したいと思う、私にぴったりな業界だなと思っています。
敦子
子どものころの関心が勉強へつながり、さらに仕事にも。
三和さん
「自分がやってきたことを結びつけたい、ムダにしたくない」と、つねに思ってるんです。そんなふうに、ずっと好きな仕事を続けてきましたが・・・、ちょうど今が転換期だと思っています。「じゃあ、何をするの?」はまだまだ迷い中で、まさに敦子さんとセッションをしているところなんですよね。

今いる環境から、もう一歩先を想像して、「自分は社会に対して何ができるだろう」を考えています。大きくリセットするわけではなくて、これまで20年近く続けてきたこと、積み上げてきたものを生かしたいです。

インタビューを終えて

三和さんは、まっすぐでエネルギッシュな方です。コーチングを通して、自分の力を抑制していた自分自身の課題に気づき、行動を変え、より仕事に邁進されています。組織内の対立において、「誰が悪い」のジャッジは不毛です。コーチングでは、自分自身の課題を見つけ、パフォーマンスを高めるためのアプローチを行います。コーチングで変化を実感された方は、コーチング要素を踏まえたコミュニケーションを取りたいと、行動するようになります。すると、接した相手にも何かしらの変化が生まれ、組織全体に良い影響が広がっていきます。これも、コーチングの提供価値です。

執筆:マチコマキ

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