クライアント プロフィール
大手通信会社 CSR部門 永井正和さん
2011年大手通信会社に新卒入社。法人営業を7年ほど経験し、社内公募制度を使ってかねてより希望していたCSR部門へ異動。社会貢献性のあるサービスの企画・開発をしています。
目次
転職か、在籍か。今後のキャリアに悩んでいた
鈴木
今回は、大手通信会社のCSR部門で活躍されている永井正和さんにご登場いただきます。はじめに、自己紹介からお願いします。
永井さん
はい。新卒で今の会社に入社し、11年目になりました。CSR部門には、入社して営業を数年経験したあとに、自ら手を挙げてキャリアアップにチャレンジできる社内公募制度を使って異動しています。
実は、父の仕事が社会貢献関係で、私もその分野に興味があり、大学時代には国際ボランティアにも取り組んでいました。この会社に入社した理由は、大手企業だからこそ幅広い分野で社会貢献できそうだと考えたから。今は、CSR部門で子育て世代向けウェブアプリのプロジェクトリーダーをしています。
実は、父の仕事が社会貢献関係で、私もその分野に興味があり、大学時代には国際ボランティアにも取り組んでいました。この会社に入社した理由は、大手企業だからこそ幅広い分野で社会貢献できそうだと考えたから。今は、CSR部門で子育て世代向けウェブアプリのプロジェクトリーダーをしています。
鈴木
さまざまな事業を展開している企業なんですね。
CSR部門に入って、どんなことをやりたいと思っていらっしゃったんですか。
CSR部門に入って、どんなことをやりたいと思っていらっしゃったんですか。
永井さん
異動した当時は漠然としていて。社会貢献の視点だけではなく、ビジネス的にも会社にきちんとメリットがある持続可能なモデルを作る企画の仕事がしたいと思っていました。
鈴木
永井さんがコーチングを受けようと思われたのは、実は奥様がきっかけだったそうですね。
永井さん
そうなんです。妻の会社に鈴木さんのコーチングセッションを受けている人がいると耳にしまして。
コーチングのことは、「何か話を聞いてもらえるらしい」くらいしか知らなかったですね。「ちょっとやってみようかな」と、軽い気持ちでお願いをしました。
コーチングのことは、「何か話を聞いてもらえるらしい」くらいしか知らなかったですね。「ちょっとやってみようかな」と、軽い気持ちでお願いをしました。
鈴木
どうしてコーチングを受けてみようと思われたのですか。
永井さん
当時、漠然としたキャリアに関する大きな不安があったんです。
異動して2、3年が経過しても、正直なところ、自分の担当しているプロジェクトは大きく成功していませんでした。
一方で、同僚は頑張りが認められてキャリアアップしていきました。自分より後から入ってきたのに、先に昇格していく人もいて。いつも「他者」と自分とを比較して、焦っていたんですね。
そんな中で、果たして自分はこの組織に居続けたほうがいいのか、転職すべきなのだろうかと悩みを抱えていました。
異動して2、3年が経過しても、正直なところ、自分の担当しているプロジェクトは大きく成功していませんでした。
一方で、同僚は頑張りが認められてキャリアアップしていきました。自分より後から入ってきたのに、先に昇格していく人もいて。いつも「他者」と自分とを比較して、焦っていたんですね。
そんな中で、果たして自分はこの組織に居続けたほうがいいのか、転職すべきなのだろうかと悩みを抱えていました。
鈴木
永井さんが勤められているような大手企業には、カウンセラーがいたり、キャリアの相談ができる環境が整っているケースが多いです。あえて外部のコーチを利用されたのは、理由があるのですか?
永井さん
確かに職場関係は非常に良好で、キャリアが相談できる環境もありました。しかし私の場合は、自分のことを全く知らない第三者に、仕事のことや自分自身が客観的にどう見えるか、意見を聞いてみたいと思っていました。コーチとの会話は心理的安全性が担保されていて、意見が否定されることはありません。そういった場で自分について包み隠さず話すというのは、自分自身の成長にとっていい機会だと思ったんです。
鈴木
そうだったんですね。
最近は、1on1を取り入れたり、マネジメント層が傾聴やコーチングスキルを持つ企業も珍しくありません。もちろんメリットはありますが、やはり同じ会社にいる上司と部下の関係では、フラットにキャリアを考えることが難しくなる場合があります。そこで永井さんのように、第三者の視点を持つ外部コーチを活用するのは、1つの方法です。
最近は、1on1を取り入れたり、マネジメント層が傾聴やコーチングスキルを持つ企業も珍しくありません。もちろんメリットはありますが、やはり同じ会社にいる上司と部下の関係では、フラットにキャリアを考えることが難しくなる場合があります。そこで永井さんのように、第三者の視点を持つ外部コーチを活用するのは、1つの方法です。
自分の強みは「新しいことが好き」だと気づく
鈴木
では、これまでのセッションを振り返っていきましょう。初めてのセッションは覚えていらっしゃいますか。
永井さん
そうですね。最初はあっという間に終わった気がします。そのとき抱いていた不安を、取り止めもなくバーッ! としゃべっていました。全然論理的に話せていなかった記憶はあります。
鈴木
事前に「キャリアの相談をしたい」と伺っていたので、まずはモヤモヤと思っていることを全部話していただけるようなコーチングセッションを意図的に行っていました。
2回目以降は、永井さんの特性や関心の強いことを伺い、ご自身の強みが何かを見つけられるようなセッションを重点的に行いました。
2回目以降は、永井さんの特性や関心の強いことを伺い、ご自身の強みが何かを見つけられるようなセッションを重点的に行いました。
永井さん
自分の特性を掘り下げていった結果、「新しいことが好き」が自分の強みだと気づけたのは、本当にセッションのおかげです。
鈴木
どんなふうに掘り下げていったか、印象に残っているセッションはありますか。
永井さん
モチベーション曲線を書いて、モチベーションが上がった時の自分の感情を言語化するプロセスが非常に印象的でした。自分一人で振り返るのではなく、鈴木さんにアウトプットしていく中で気付けた気がします。
鈴木
ご自身の強みに気づいたタイミングで、大きな変化があったんですよね。
永井さん
はい。新しいことに向かっていくことが好きだと気づいた頃に、新プロジェクトにアサインされたんです。社会的にも社内的にも、誰もやったことがない業務でした。
プロジェクト期間中は怒涛の日々でした。鈴木さんとのセッションも、キャリアの相談だけではなく、怒涛の日々をどううまく進めていくか? という点でも伴走してもらっていました。
プロジェクト期間中は怒涛の日々でした。鈴木さんとのセッションも、キャリアの相談だけではなく、怒涛の日々をどううまく進めていくか? という点でも伴走してもらっていました。
鈴木
大変な日々だったけれども、「新しいことが好き」という強みの後押しになるような出来事が同時に起こったわけですね。
永井さん
そうですね。忙しい中でも面白さを感じたし、嬉しいことや、大きな充実感がありました。自分が担当したサービスが世に出て、使ってもらって、なおかつ事業としての継続性を感じられる経験ができたことは大きかったです。
鈴木
今のお仕事を始めるにあたって思い描いていらっしゃったことを、実際に体験できたんですね。
永井さん
プロジェクトを終えてみると、自分の特性が際立って意識できるようになりました。今では「新しい環境にどんどん放り込んでもらえれば、結果を出しますよ!」と自分から言えるようにまでなりました。
鈴木
それは素晴らしい変化です!
他者と比べなくなった結果、ポジティブに仕事ができるように
鈴木
セッションを続けていく中で、漠然と感じていたキャリアの不安はどう変化していきましたか。
永井さん
そうですね。不安がなくなることはないですが、「不安を感じた時に自分でどう整理すればいいのか」がわかるようになったのはよかったです。
あと、2週間に1回セッションしていることも自分にとってちょうどいいと感じています。
イメージとしては、不安のバロメーターが少しずつ上がっていって、ちょうどいっぱいになる前にセッションがあって、しゃべって整理することでバロメーターが下がって、その状態からまた2週間を過ごして……、を繰り返していく。不安が溜まる前のタイミングで気持ちを整理できるのがいいですね。
あと、2週間に1回セッションしていることも自分にとってちょうどいいと感じています。
イメージとしては、不安のバロメーターが少しずつ上がっていって、ちょうどいっぱいになる前にセッションがあって、しゃべって整理することでバロメーターが下がって、その状態からまた2週間を過ごして……、を繰り返していく。不安が溜まる前のタイミングで気持ちを整理できるのがいいですね。
鈴木
コーチングを開始した当初、今の会社を辞めるべきかどうか悩んでいらっしゃいました。それから、心情の変化はありましたか。
永井さん
はい。セッションを通して、今の会社が自分に合っているとはっきりわかりました。
自分と誰かを比べて不安になっていましたが、他者ではなく自分と向き合い、自分の強みや特性を言語化できたおかげで、今、ポジティブに仕事に取り組めています。
自分と誰かを比べて不安になっていましたが、他者ではなく自分と向き合い、自分の強みや特性を言語化できたおかげで、今、ポジティブに仕事に取り組めています。
鈴木
キャリアを考える際、よく「どこに転職するのがいいか」といった話題になりがちです。ですが何よりも大切なことは、「自分が何に興味関心を持っているか」です。欲求がない限り行動に移せないですし、好奇心を感じないことは継続が難しいものです。
永井さんはセッションを通じて、今の会社が一番自分にフィットしていると気づかれました。
永井さんはセッションを通じて、今の会社が一番自分にフィットしていると気づかれました。
永井さん
そうですね。今の会社は大企業ですが、会社全体に変化を楽しむ文化があって、新しいことにチャレンジをし続けています。自分自身もそんなアグレッシブな環境が楽しめているし、この会社にいて良かったと思います。
鈴木
新しいことに飛び込んでもタフにこなせる永井さんに、とても合っている会社ですよね。
まだまだご自身について知らない面があるかもしれません。一緒に掘り下げて、見つけていきたいです。
まだまだご自身について知らない面があるかもしれません。一緒に掘り下げて、見つけていきたいです。
コーチングで自分を「チューニング」する
鈴木
今後はどんなことにチャレンジしていきたいですか。
永井さん
会社では、自分の特性を生かして新しいプロジェクトに取り組みたいです。そして引き続き、世の中の課題を解決できるようないいものを生み出していきたいと思っています。
それから、社外でも何かプロジェクトに関わってみたいですね。具体的にはまだ決めていませんが、ちゃんと対価を得た上で、自分自身のパフォーマンスを発揮していきたい想いがあります。
それから、社外でも何かプロジェクトに関わってみたいですね。具体的にはまだ決めていませんが、ちゃんと対価を得た上で、自分自身のパフォーマンスを発揮していきたい想いがあります。
鈴木
では最後に、永井さんにとってコーチングとはどういうものでしょうか。
永井さん
何ですかね……。結構、「チューニング」に近い部分があるのかもしれないです。
コーチングを受けたからといって、突然1が100になることはなく、1を100にするには、やはり自分自身の日々の積み重ねがあると思うんです。
ただ、その時のギアの掛け方とか選び方とかによって、100までのスピードや馬力が変わってくるのかなと。
ですから、コーチングはそのギアを調整していく、そんな意味で「チューニング」の言葉が合うと思いました。
コーチングを受けたからといって、突然1が100になることはなく、1を100にするには、やはり自分自身の日々の積み重ねがあると思うんです。
ただ、その時のギアの掛け方とか選び方とかによって、100までのスピードや馬力が変わってくるのかなと。
ですから、コーチングはそのギアを調整していく、そんな意味で「チューニング」の言葉が合うと思いました。
インタビューを終えて
永井さんは自分自身と向き合うことで、転職よりも今いる会社にいることが最適だと気づきました。
キャリアに悩んだときにまず必要なのは、その時のモヤモヤを整理すること、そして自分の特性を認識することです。その結果、今の組織に止まるべきかそうでないかがスッキリと判断できます。今の環境にも自分の能力を発揮できる機会があると気づかずに辞めてしまうのは、もったいないですよね。
セッションを通じて永井さんは、キャリアの悩みを解決できただけでなく、他者とのコミュニケーションも改善したといいます。組織の中でモヤモヤとしている方はぜひ一度、お話ししてみませんか。
インタビュー・編集:マチコマキ / イラスト:竹内巧 / 執筆:永瀬もなみ
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